TECHNICAL PROPOSAL

FileMaker データ活用基盤構築 MCP + API ハイブリッド戦略のご提案

株式会社BizPlatform 様

株式会社ピースフラットシステム

2026年5月

エグゼクティブサマリー

貴社が掲げる「営業は喋るだけ」の実現に向け、FileMakerに蓄積された数百万件のデータを最大限に活用する基盤構築をご提案します。

LTV分析・ターゲット再定義・チャーン予測・リスト自動生成など、貴社のタスクリストにはデータ活用を前提とした施策が多数並んでいます。これらを1つずつ個別開発するのではなく、MCPを「データ活用の共通基盤」として先に構築し、その上でタスクを展開するアプローチをご提案します。

💡

結論:MCPを土台として先に1本作り、タスクによってはAPI+LLMでの固定実装も併用する「ハイブリッド戦略」が、コスト・拡張性・スピードの全面で最適です。

現状の課題

データは豊富、しかし活用の「入り口」がない

FileMakerには20年分の顧客データ・紹介履歴・アポ履歴・リース契約データが蓄積されています。しかし現状では、データ活用のたびに以下のボトルネックが発生しています。

課題 現状 影響
属人的なリスト作成 現場責任者がFileMakerの検索機能で手動抽出 再現性がない・担当者不在時に停止
分析のたびに開発が必要 新しい切り口の分析には都度システム改修 仮説検証に数週間〜数ヶ月かかる
複数ツールの分断 FileMaker・Biztel・Zoom・メールが個別運用 横断的なデータ活用ができない
高度な分析が困難 LTV予測・チャーン分析など、AIが必要な分析は未着手 勘と経験に依存したターゲティング
⚠️

タスクリスト(Task 98, 119, 120等)に挙がっている施策の多くは、「FileMakerのデータにAIがアクセスできる状態」が前提条件です。この入り口を作らない限り、個別タスクの着手自体が困難です。

MCPとは何か

「データ活用の入り口を1本化する装置」

MCP(Model Context Protocol)は、AIがFileMakerのデータに安全にアクセスするための「共通の窓口」です。一度構築すれば、さまざまなAIツール(Claude・ChatGPT等)から自然言語でデータの検索・分析・抽出が可能になります。

MCPの役割イメージ
ClaudeCode
ChatGPT
n8n ワークフロー
↓ 自然言語で問い合わせ ↓
共通基盤
MCP サーバー
認証・権限制御・データ変換
↓ FileMaker Data API ↓
オンプレミス
FileMaker Server
顧客DB・アポ履歴・リース契約・紹介履歴

MCPが実現すること

特性 内容
ゼロ追加コストの新規分析 新しい問い合わせ(分析の切り口)が、開発なしで即座に実行可能
「ついでにこれも」が即対応 分析途中の追加質問にもリアルタイムで応答
仮説検証サイクルの短縮 日単位 → 分単位へ。思いついた仮説をその場で検証
1基盤 = 複数用途 LTV分析・チャーン予測・ターゲット選定・リスト生成… すべて同一基盤から

アプローチ比較:API個別実装 vs MCP基盤

API + LLM 個別実装

タスクごとにAPIコードを書いて実装


  • 1分析 = 1実装が必要
  • N本作れば工数もN倍に積み上がる
  • 分析の切り口を変えるたびに改修
  • 再現性・監査性は高い
  • 定型レポートに向いている
定型向き

工数構造の違い

タスク数が増えるほどMCP基盤のコスト優位が拡大
アプローチ 初期構築 2本目以降の追加 5本目時点の累計 10本目時点の累計
API個別実装 1倍(= 基準) 毎回 1倍ずつ加算 約 5倍 約 10倍
MCP基盤 約 1.5〜2.5倍 ほぼゼロ
※新テーブル利用時のみ +0.25〜0.5倍
約 2〜3倍 約 2.5〜4倍

※「1倍」= API+LLMで分析タスクを1本個別実装する工数を基準としています
※MCP基盤は初期構築コストがやや大きい代わりに、2本目以降の追加コストがほぼ発生しません。タスク3本目あたりで損益分岐を超え、以降は差が広がり続けます。

貴社のタスクリストにはデータ活用系タスクが多数あるため、MCP基盤を先に構築することで、後続タスクの工数を大幅に圧縮できます。

ご提案:ハイブリッド戦略

MCPとAPI実装は排他的な関係ではなく、適材適所で使い分けるのが最適解です。データソース(FileMaker Data API)は共通のため、両方構築しても重複工数は最小限に抑えられます。

全体アーキテクチャ
利用者レイヤー
ClaudeCode / ChatGPT / n8n ワークフロー / 経営ダッシュボード
営業担当・マネージャー・経営層がそれぞれの用途でアクセス
MCPレイヤー
アドホック分析・抽出
自然言語での問い合わせ
LTV分析 / ターゲット選定 / リスト生成 / 仮説検証
API + LLM レイヤー
定型レポート・自動処理
毎月配信の経営レポート
大量データ一括集計 / 監査対応
データソース(共通)
FileMaker Data API
顧客管理 / アポシステム / 紹介履歴 / リース契約 — 数百万件規模

MCPが担う領域

用途 具体例
アドホック分析 LTV上位顧客の共通点抽出、審査通過率×継続期待値の高い企業特定
リスト生成 「直近1ヶ月以内に返事待ちで、前回紹介実績ありの先生」などの条件抽出
データ探索 失注理由の傾向分析、クロスセル成功パターンの発見
仮説検証 「この属性の企業はチャーン率が高いのでは?」をその場で確認

API+LLMが担う領域

用途 具体例
定型レポート 経営層向け月次KPIレポートの自動生成・配信
大量データ処理 全顧客データの一括スコアリング、バッチ処理
監査対応 再現性・証跡を厳格に求められる業務処理
ワークフロー自動化 通話→要約→FileMaker書込み、フォローメール自動生成

適用例:LTV分析とターゲット戦略の刷新

Task 98, 119, 120

目的

リース審査・入金データからLTVが高い顧客の共通点をAIで特定し、「審査通過率 × 継続期待値」が高い企業を新規ターゲットに再定義する。

MCP基盤を使った場合の分析フロー

分析フロー
1
データ探索
「リース契約テーブルから、継続年数が長い上位100社の属性を出して」
→ MCPが即座に抽出
2
仮説生成
「この100社に共通するのは業種?従業員規模?エリア?」
→ AIが傾向分析し仮説を提示
3
仮説検証
「じゃあ従業員10-50名の製造業で、審査通過率を出して」
→ 追加開発なしで即検証
4
ターゲット再定義
「審査通過率×継続期待値でスコアリングして、上位をリスト化して」
→ 営業リストとして即活用
5
定型化(API実装に昇格)
分析結果が有効と判明 → 定期実行レポートとしてAPI+LLMで固定実装
💡

ポイント:Step 1〜4はMCPだけで完結します。有効性が確認できたものだけをStep 5でAPI実装に昇格させることで、「作ったけど使わなかった」というムダを排除できます。

MCP基盤で対応可能なタスク群

貴社タスクリストのうち、MCP基盤を構築することで追加開発なしで対応可能になるタスクの一例です。

タスク 内容 活用方法
Task 98 LTV分析 自然言語でLTV上位顧客の属性・共通点を即座に抽出
Task 119 ターゲット再定義 審査通過率×継続期待値のスコアリング・リスト化
Task 120 チャーン予測 解約パターンの分析・リスク顧客の早期特定
リスト作成 営業リスト自動生成 複雑な条件の組み合わせをAIが理解しリスト化
クロスセル クロスセル提案候補抽出 過去の成約パターンから提案候補をランキング表示
失注分析 失注理由の傾向分析 失注データから改善可能なパターンを発見

これらのタスクをAPI個別実装で対応した場合、タスクの数だけ工数が積み上がります。MCP基盤なら、基盤構築後は自然言語で問い合わせるだけで対応完了です。

留意事項

前提条件

MCPの構築ハードル

MCPが向かないケース

上記はAPI+LLMでの固定実装が適しています。MCPと排他ではなく、適材適所で併用する方針です。

まとめ

項目 内容
推奨アプローチ MCP基盤を土台に構築 + 必要に応じてAPI+LLM実装を併用
MCP基盤の価値 1基盤でLTV分析・ターゲット選定・リスト生成・仮説検証が全て対応可能
コストメリット タスク数が増えるほど、個別実装との工数差が拡大
対応範囲 タスクリストのデータ活用系タスクを広くカバー
次のステップ FileMakerテスト環境でのData API接続検証 → MCP MVP構築
🚀

MCPは「1つ作って終わり」ではなく、「1つ作ればすべてが始まる」基盤です。
貴社のFileMakerに眠るデータを、営業現場・マネジメント・経営判断のすべてのレイヤーで活用可能にします。